お客様の立場で考える習慣が身に付いたきっかけとなる賃貸契約
賃貸物件を探すために不動産会社を訪問すると、営業担当者から引越しの理由を聞かれます。進学や就職、転勤や結婚等、理由は様々ですが、中には一刻を争う事態に陥っている方も一定数いらっしゃるのです。
今回は、お客様の立場で考える習慣が身に付いたきっかけとなる賃貸契約について、お話ししたいと思います。
DV被害から逃げたい、離婚したい
私が会社員の頃の話になりますが、冬の寒い日に、女性のお客様が来店され、私が担当することになりました。
いつも通り、条件や希望をお伺いしようとしたところ、あまり自分の話をしたくない様子で、目も合わせてもらえず、私は少し戸惑っていました。
店内では、他の営業担当者やお客様の手前、話しにくいという方もいらっしゃるので、この女性のお客様も内見の際に、移動する車内で事情をお伺いしようと考えていました。
その後、移動する車内で事情をお伺いしたところ、夫からDV被害に遭っていて逃げたい、離婚したいということを話してくれました。
ただ、この女性のお部屋探しは、厳しい現実が待っていました。
相手の利益を優先する
この女性は、
①専業主婦なので無職
②金銭的な蓄えが少ない
③車が無いので駅の近くが希望
等といった状況や希望でした。
また、私が担当する前に、他の不動産会社を訪問したところ、門前払いだったり、話をした上で断られたりで気が滅入っていて、私にも断られるかも知れないと思うと事情を説明するのが怖かったと言われました。
もしかしたら、1円にもならないかも知れないと頭をよぎりましたが、この女性のお客様の立場で考えてみると、私だったら手を差し伸べて欲しいですし、私自身もいずれ人生を振り返る時が来た際には、ここで匙を投げてしまったら後悔するなと思い、私がなんとかしますと女性のお客様に返答しました。
とはいえ、女性のお客様の希望を叶えるのは現実的には厳しいので、視点を変えて考えてみたのです。
人間万事塞翁が馬
女性のお客様に、身内の方で力になってもらえる方はいませんか?と尋ねたところ、姉妹がいるとのことでした。
まだ、事情は話していないとのことでしたが、お二方とも仕事をされているということでしたので、私は
契約者と連帯保証人を姉妹とし、入居者を女性のお客様にする
ことを想定して、家主さんや管理会社に交渉をしました。
残念ながら、その日のうちにまとめることが出来ず、仕切り直しとなりました。
翌日、通常よりも1時間早く出社することにしたのですが、駅の構内を歩いているとベンチに女性のお客様が座っているのを見かけたので声を掛けたところ、私の勤務先の営業開始を待っているようでした。
内心この寒い中、いつから待っていたのだろうか?もしかして、家に帰っていないのではないか?ということが頭をよぎり、営業開始前ではありましたが、店内で温かい飲み物を提供し、少しだけ待って頂きました。
その後、前日に交渉をしていた管理会社から内見して気に入って頂ければ話を進めましょうという回答を頂き、そのまま無事に契約となりました。
この出来事があってから、私はお客様の立場で考える習慣が身に付き、また様々な困難にも立ち向かうことが出来るようになりましたので、今となっては幸運な出来事だったと思っています。
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私はフリーターとして、ガソリンスタンド、パチンコ店、引越し、チラシ・ティッシュ配り、日雇い等多数の職業を経験しました。
23歳で就職し、不動産会社2社、合計8年間の会社員生活を経て、2007年8月に31歳で開業しました。
趣味は、旅行、ポイ活、旧車やスーパーカーの鑑賞です。毎年、繁忙期前の11月と繁忙期後の4月に出雲大社を参拝しています。
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